福岡第一の選手交代
1回戦
福岡第一 72 VS 52 桐光学園
〜BASKETBALLKING〜
問題は第3クォーターにあった。セカンドユニットのプレーぶりをベンチで見守り、先発メンバーはハーフタイムを挟んで再びコートに立った。本来であれば、仲間の活躍に奮起され『今度は自分たちの番だ』と言わんばかりのプレーを披露しなければならなかった。しかし、「ここで30点差にして勝つつもりでした」(井手口コーチ)というゲームプランとは裏腹に選手たちの肩は一向にほぐれず、この10分間のスコアは15-19。同クォーターでのタイムアウトでは「ちょっと腹が立ちました」と、ついに井手口コーチからの激が飛んだ。
キャプテン城戸
「全く気持ちが入っていなくて、5人全員が硬くなってしまいました。今日はセカンドチームに助けてもらってばかりで、自分たちのせいで点数を詰められて悪い流れにしてしまいました」
日々の練習では、スターティングファイブがセカンドユニットの5人に負けることがよくあるほど、選手同士の力が拮抗している今年の福岡第一‥
福岡第一の選手交代は、
1~2名を入れ替えていくスタイルが多かったと思いますが、
要所で5人全員を入れ替えて、セカンドユニットを躍動させる戦術も目立ちました。
この選手起用も井手口先生の「凄さ」ですが、
2プラトンに近い戦術を出すだけではなく、
開志国際との決勝戦では、2Qの頭からゾーンDFを採用するなど、
「どこで何をしてくるかわからない」という怖さもあったと思います。
一方で開志国際はメンバーを入れ替えず、
ファウルトラブルがない限りは少人数で戦っていました。
これもまた富樫先生の選手起用における「凄さ」です。
よほどの信頼がない限り、この起用方法もなかなか出来ません。
対象的な選手起用をした両チーム、
両チームの監督は日体大の同級生。
富樫先生は
「井手口を倒すために本丸中から開志国際にきた」
と笑いながら話していたほど、対戦したかった相手です。
選手同士の戦いも面白かったけど、指揮官の戦いも面白かった、
そんなインターハイ決勝でした。
話は変わって、福岡第一のセカンドユニット投入ですが、
2プラトンで誤解されがちな
「ユニットで戦術を変える」
という内容ではないですね。
やること、内容はファーストメンバーと全く同じ。
単純にメンバーを入れ替える。
ユニットを変えるたびに全く違うバスケットを展開することも
(例えばファーストチームはランゲーム、セカンドチームはハーフコートバスケットという変化)
2プラトンのメリットではありますが、
そうする必要もない
ということを見せてくれた福岡第一のセカンドユニット起用です。