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育成年代の練習時間

練習のやりすぎってどれくらい?

育成年代を指導する立場として、

「練習のやりすぎって具体的にどれくらい?」

という記事があったので、自分なりにまとめながら アウトプットしていけたらと思います。

昔に比べて、 練習量=チームの強さ と考える指導者は少なくなっているとはいえ、 「どれくらいがやりすぎで、どれくらいが適度なのか」 を説明できる指導者も少ないと思います。 正解と言える内容かわかりませんが、 色々な視点から考えたそれぞれの答えを紹介します。

①1週間の練習時間=年齢 × 1時間

「スポーツに特化したトレーニングと若年アスリートの傷害リスク:臨床的症例対照研究」

Jayanthi NA, LaBella CR, Fischer D, Pasulka J, Dugas LR.Sports-specialized intensive training and the risk of injury in young athletes: a clinical case-control study.Am J Sports Med. 2015 Apr;43(4):794-801. doi: 10.1177/0363546514567298. Epub 2015 Feb 2.

一週間のトレーニング時間が年齢×1時間を超えると、怪我のリスクが高まる可能性がある

この研究は1000人を超える選手の身長や体重、

スポーツの種類を分析していて、

特に、

  • 組織的なスポーツの参加時間が年齢を超える
  • 組織的なスポーツと遊びとしてのスポーツの割合が2:1を超える

これらの場合にケガのリスクがより高まるとのことです。

 

②1週間16時間

「思春期におけるスポーツ傷害の社会統計学的予測因子」

Rose MS, Emery CA, Meeuwisse WH.Sociodemographic predictors of sport injury in adolescents.Med Sci Sports Exerc. 2008 Mar;40(3):444-50. doi: 10.1249/MSS.0b013e31815ce61a.

トレーニング量が週に16時間を超えると、怪我のリスクがより高まる

この研究は、14歳から19歳の男女3000人近くを調べた研究になります。

それによると、先程の研究と同様に練習時間が長くなれば長くなるほど、怪我のリスクは上がっていくのですが、

特に1週間で16時間を超えると、よりリスクが高まるようです。

 

③男女で違う怪我のリスク

「思春期前および思春期の女性における身体活動とストレス性骨折の発症リスクに関する前向き研究」

Field AE, Gordon CM.Prospective study of physical activity and risk of developing a stress fracture among preadolescent and adolescent females.Arch Pediatr Adolesc Med. 2011 Aug;165(8):723-8. doi: 10.1001/archpediatrics.2011.34. Epub 2011 Apr 4.

この研究は、7000人近くの9−15歳の女性のデータを集めた研究です。

週8時間の身体活動をした選手は、週4時間の選手に比べて、疲労骨折を発症する可能性が2倍高い。

という結果が出ていて、

同じ年代でも男女で怪我のリスクが違うという認識も必要となります。

 

 

育成年代を指導している方は、上記3つの内容を理解したうえで、

練習時間について再度検討しても良いかもしれません。