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2022 インターハイ②

ここからが面白いところ

仙台大明成と藤枝明誠の続き

NBAワシントン・ウィザーズで活躍する八村塁を育てた仙台大明成の佐藤久夫ヘッドコーチ(HC、72)が、試合残り時間わずか2分となったところで突然、選手たちに向かって叫んだ。「ここからが面白いところ!」  7月29日、四国高校総体男子バスケットボール3回戦の藤枝明誠戦。その時、スコアは76―85。スタートから5本連続でシュートを決められ、劣勢に立たされた明成が、9点差から逆転できるか。緊迫した場面での意外なゲキに、呼応したのは、敵将の日下部二郎ヘッドコーチ(65)だった。「お前たち、ここからの勝負を楽しめ!」  「気合を入れろ」でも「諦めるな」でもなく、楽しめ、という両指揮官からの声。火花を散らし合いながらも、両陣営がどこかで調和する空気が流れる中で、試合終了のブザーが鳴った。結果は79―93。優勝候補と目された仙台大明成はベスト8にも進めず、敗退した。  敗戦後、藤枝明誠の選手たちの健闘を拍手してねぎらった佐藤HCは「私の指導力のなさかも。やはり昭和のバスケではダメかな」。こう言って苦笑いをしていた。  「いえいえ、全然『昭和』じゃなかったですよ」と突っ込みを入れたくなった。敗因は、207センチある藤枝明誠の留学生にゴール下を支配されてしまい、リバウンドを取られまくったことのはずだ。ここへの対処ができていれば勝敗は分からなかっただろう。そもそも根性論重視だったはずの「昭和のバスケ」に「面白い」は似つかわしくない。  40年以上の指導歴の中で、佐藤HCは「心技体」の中でも、とりわけ「心」の持ち方を重視して来たという。それは単なる精神論とは違う。目の前の勝負よりも、選手一人ひとりの爽籟を見据えているようにも思えた。  ポツリと「明成は夏に弱いねえ」とも。確かにウインターカップでは6度も優勝しているのに、総体での優勝は2015年の1度だけだ。不躾ながら「なぜですかね?」と尋ねてみた。  「(夏は)辛いものを食べないからじゃないかな。もっと辛いバスケットをやらなきゃあ…」。敢えて「昭和的」なコメントもするところが、また味わい深かった。冬には「辛いけど、面白い」という最強のチームに仕上げて来そうだ。

 

佐藤久夫先生も日下部二郎先生も、

残り2分で選手にかける言葉が素敵ですね。

こんな先生に教わりたい、バスケットを指導してほしい、

そんなふうに感じました。

自分は高校生にそんな言葉をかけているだろうか?

勝っている場面でも、負けている場面でも、

選手が楽しそうにバスケットをする雰囲気を作れているだろうか、

そんなことを考えさせられた記事の紹介です。

 

話は変わり、記事の中にあった

「藤枝明誠の留学生にゴール下を支配され〜〜」

という部分ですが、前回の監督室で佐藤久夫先生の試合後の談話を紹介しました。

「ゾーンを引っ張りすぎた、あれだけ外が入るならマンツーにするべきだったかもしれない」

という内容だったのですが、

それこそ留学生にもっとやられたのではないか、ゾーンを継続した選択肢は間違っていないというのが私の意見です。

明成が留学生のインサイドを警戒する中、ゾーンを崩すパス回しと3Pを決め切った藤枝明誠を褒めるべきで明成のゾーン選択は必然だったように感じます。

勝てば官軍負ければ賊軍

指導者は負けたら色々言われるし、自分でも後悔するものです。

練習でずっと取り組んできたゾーンを、相手に合わせてマンツーに変更し、結果が出なかった反動の方が大きいと私は感じます。

練習でやってきたことしか試合では出ないのです。